土地を買いたいけど、一体いくらで買えばいいのかわからない…
相続した家と土地を売りたいけど、相場が全然分からない…
そんな風に悩んでいるあなたへ。実は、土地の価値1って不動産業者に丸投げしなくても自分でもある程度調べることができるんです。
この記事では、不動産の知識がなくても大丈夫!誰でも簡単にできる土地の価値の調べ方を、わかりやすく解説していきます。
一気に書くとすごく長くなるので、シリーズ化して少しずつ記事にしますね。
本日のテーマは以下の通りです。
なぜ自分で土地の価値を調べる必要があるの?
「不動産屋さんに任せればいいじゃん」と思う方もいるかもしれません。確かに不動産業者はプロなので、土地の価格について詳しい情報を持っています。
しかし自分で土地の価値を調べておくことで、以下のメリットがあります。
- 不動産業者に緊張感を持たせることができる
- その地域の相場がわかる
- 価格交渉の材料になる
これはお客さまにとって信頼のおける不動産業者を見極めることにもつながります。ご自身の調べた相場価格と不動産業者の提示する価格との乖離が大きい場合、ぜひ理由を尋ねてみてください。
そこでお客さん自身が納得できる説明をしてもらえるかどうかが一つの判断材料になりますよ。
わたしは不動産屋の立場としてお客さんに予備知識がある方が安心します。
「全ておまかせします」でなく、相互に信頼感があってお取引を進めるのが大事です。
土地の価値はどんな指標や要素で決まるの?
土地の価値を決める指標や要素は多岐にわたりますが、代表的なものを挙げていきますね。
公示価格/基準地価
公示地価は国交省が毎年1月1日時点の標準地の価格を公表するものです。適正な地価を形成が目的で、簡単にいうと、目安となる価格を示すことで土地の急激な乱高下を抑制する制度です。また基準地価は都道府県が公表するもの価格で、公示地価を補完するものです。公示価格は国、基準地価は県という理解で十分です。
ちなみに価格を決めるのは「不動産鑑定士」で、数ある不動産系資格の中でも最難関といわれています。なんと義父がこの資格を持っていることがプチ自慢(笑)
固定資産税評価額
市町村が固定資産税を算出するために使用する評価額です。路線価と宅地の状況を基に算出されます。不動産所有者には毎年納税通知書が送られてくるので、馴染みがあるかと思います。
実勢価格
実際に土地が売買された価格です。最も現実に近い価格ですが、個々の取引条件によって大きく変動するため、比較する場合は注意が必要です。
以上は公的なものであったりいわゆる指標といえるものですが、以下からは「その要素が価格へどう影響するか」の理解が必要な項目が入ってきます。
用途地域
土地が利用できる範囲が法律で定められており、用途地域によって建物の種類や高さなどが制限されます。
道路
「再建築不可物件」という言葉をきいたことありませんか?これはその土地に接する道路の種類や幅員によって、建物が建てられるのかどうかが建築基準法によって定められているため、それに適合できないことで起こるものです。家付き土地の売却を考える場合、これが最も価格に影響するともいえます。
立地
駅からの距離、周辺の商業施設や学校などの利便性、自然環境など土地の周辺状況のことです。「駅チカ」で価格が上がるのが分かりやすい例ですね。
形状
まず、土地の奥行きが長い長方形か、間口の狭さなど上空から見た形。また擁壁のあるがけ地かどうかという横から見た形などがあります。土地の形状は建物の配置の制限や土地の使いづらさに影響するため、価値を決める重要な要素となります。
開発計画など
周辺に工業団地ができる、大きな道路が通るなどの将来的な開発計画があるかどうかによって、土地の価値が大きく変動することがあります。
ライフライン
上下水などのインフラが整っているかどうかも影響します。建物は建てられる土地なのに「前面道路に水道管が無い」となれば水道引込に高額な費用がかかるため、実質宅地としては使うのは難しくなり価値が下がる要因となりえます。
「家付き土地」の場合は、土地上の建物価値をどう判断するかで大きく変わります。価値が残っていれば土地と建物価格を足しますが、価値がないと判断されれば取壊し費用を差し引いた価格とするのが一般的な考え方となっています。
少し話は逸れますが、この「中古住宅の価値」が曖昧な例が多いため、空き家問題は深刻化しているのに新築物件が増え続けるという日本の社会問題を生み出す一つの要因なのでは?と考えています。
他にも経済状況や社会情勢などが土地の価値に影響することがありますが、記事の目的が変わってくるのでここでは割愛します。
さいごに
土地の価値を決める要素や指標のわかりやすいものを挙げてみました。
ちなみにこれらのほとんどはお客さまご自身で調べることができます。簡単なものから少しややこしいものまでありますが、少し知っておくだけで安心して不動産取引ができますよ。
次回以降は、実際の調べ方や考え方をお伝えしていきますね。
この記事が、少しでも不動産というものを身近に感じるきっかけとなったら幸いです。
- この記事内では価格の目安と定義しておきます ↩︎